おびえた鹿の奮闘記

結婚を機にはじめる30代からの資産運用

【株式投資初心者向け】ファンダメンタルズ分析の基本的な指標と基準値

 

こんにちは、おびえた鹿です。

 

コロナ禍が本格化する前の2月頃から小額ですが株式投資をはじめました。20冊以上初心者向けの書籍を読み、成長性のある銘柄に投資する成長株投資を目指すことに決めました。

株式投資の手法はチャート(株価の時系列変化)の形状に着目するテクニカル分析と、財務指標などを分析するファンダメンタルズ分析に大別されます。私はチャートの形状が特定のパターンに必ず当てはまということが信じられなかったのでファンダメンタルズ分析派です。

この記事では、ファンダメンタルズ分析派の株式投資初心者が押さえておくと良い基本的な指標を紹介し、いくつかの書籍で推奨されていた基準値を整理していこうと思います。

成長株投資で確認すべき指標

私が普段参考にしている指標を紹介します。大別すると(1)割安度、(2)成長性、(3)財務の安全性を評価する指標となっています。詳細な定義は書籍やインターネットにありますので、ここでは何を意味しているのかを簡単に説明します。増収率以外は会社四季報や証券会社が提供する株取引ツールの企業情報ページに記載されているので、誰でもすぐに利用できる指標だと思います。

【割安度】株価収益率(PER:Price Earnings Ratio)

現在の株価÷1株当たり純利益(EPS)。現在の株価が、その会社が1年間に稼ぎだす1株当たりの純利益の何倍になっているかを示す指標。EPSの計算過程で必要な当期純利益は3カ月に一度の四半期決算で報告される翌年の業績予想を用いる。業績予想は会社の性格によるクセがありますが、会社四季報ではそういったクセを考慮して予想してくれています。

【割安度】株価純資産倍率(PBR:Price Book-value Ratio)

現在の株価÷1株当たり純資産(BPS)。現在の株価が、その会社の純資産の何倍になっているかを示す指標。PERと異なり目安となる数値があります。それは1倍以下かどうかです。なぜなら、PBR1倍(現在の株価と1株あたりの純資産が同じ)の場合、理論上は会社が解散した際に投資した金額と同じ金額が純資産を原資として戻ってくるためです。

【成長性】営業利益率

営業利益÷売上高×100[%]。高いほど本業で利益を稼ぐ力があることを意味します。一般的に企業の損益計算書上で表される利益率は下図のように5種類ありますが、営業利益以降の項目を加味すると、本来の実力にノイズ(営業外損益特別損益等)が入ってしまい会社の実力を把握しにくくなります。

 

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【成長性】増収率

(当期の決算期の売上高÷前期の決算期の売上高-1)×100[%]。企業の成長性を評価する指標。高いほど成長性があることを意味します。

【成長性】自己資本利益率ROEReturn on Equity

当期純利益÷自己資本×100[%]。株主としての投資効率を測る指標。高いほど経営の効率が良いことを意味します。

【財務の安全性】流動比率

流動資産(1年以内に現金化される資産)÷流動負債(1年以内に返済しなければならない負債)×100[%]。財務の安全性を評価する指標。高いほど短期的な支払能力があることを意味します。

【財務の安全性】自己資本比率

純資産/(負債+純資産)×100[%]。財務の安全性を評価する指標。高いほど中長期的に見て倒産しにくいことを意味します。

 

参考にした書籍とその中で触れられていた指標値の目安

参考にすべき指標や基準となる数値が書籍によってバラバラだったので以下の表にまとめてみました。”×”印は参考にすべきではない指標、”ー“印は書籍の中で特に触れられていなかった指標を意味します。

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PERは参考にすべきが5人、参考にすべきではないが2人と著者によって意見が割れました。参考にすべきではないと主張している理由として、

「PERはいまと同じ利益がずっと続いたらという前提をもとに計算している」

 10万円から始める 小型株集中投資で1億円より引用

 

「PERは株価が割高か割安かを相対比較する際に使われる一方で、利益の期待値という一面も持ち合わせている」

 会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方より引用

 

という説明があり納得しました。後者に関しては理論株価と現在の株価を比較することで、期待値の影響を考慮して判断できるのかなと思いました。これから勉強したいと思います。

また、割安度を測る指標として一般的なPBRも参考にすべきとしたのは1人の著者だけでした。参考にすべきではない主張している理由として、

「資産を買ったときの値段をそのまま使うので正確に実態を表しているとは言えない」

 本当に儲かる株 成長する株を自分で見つけられるようになる本より引用

 

という説明がありました。これに関しては、バランスシートを見て資産の内訳をちゃんと確認すればある程度は実態を把握できそうですが、正確な分析は初心者には難しいと感じました。

以上を踏まえると、PERとPBRで絞ってしまうと有望な銘柄を見逃す可能性がありそうなので、当面は営業利益率、増収率、ROEをメインで見つつ、コロナ禍が続いている間は流動比率自己資本比率にも着目して銘柄選定をしようと思います。

まとめ

以上、ファンダメンタルズ投資家が押さえておくべき指標とその基準値をまとめた記事でした。割安度を測る指標としてPERとPBRは有名ですが、定義を掘り下げて考えてみると少し扱いづらい指標で、何人かの投資家の間でも参考すべきどうかの意見が割れていることがわかりました。

株式投資において万能な指標はないので、複数の指標から統合的に判断する力が必要だと思っています。今回紹介した指標以外にも良い指標はたくさんありますので引き続き勉強していくつもりです。ご覧いただきありがとうございました。