【投資初心者向け】無料のツールを用いたポートフォリオのリスク分析
こんにちは、おびえた鹿です。
皆さん、分散投資のため複数の資産クラスを保有している方がほとんどだと思いますが、ポートフォリオ全体のリスクがどのくらいか確認したことがありますか?
私はコロナ禍をきっかけに少しだけ保守的なポートフォリオを変更したのですが、実際にポートフォリオ全体のリスクがどのくらいが気になりつつも放置したままになっていました・・
今回の記事では、インターネット上で公開されている無料のリスク分析ツールを使って、ポートフォリオのリスク分析を行いたいと思います。
リスク分析ツール
ファンドの海
投信ブロガーイーノ・ジュンイチさんが運営するサイトのツールです。水瀬ケンイチさんの書籍*1でもお薦めされており、名前だけは前から知っていました。サイトはシンプルでわかりやすく、資産配分を入力すると期待リターンとリスク、長期投資による運用結果の予想、アセットアロケーション分析の結果が表示されるつくりになっています。このサイトだけで長期投資に必要なほぼ全ての分析ができるのではとは思うくらいの完成度です。
ただし、入力できる資産クラスが国内債券、国内株式、先進国株式、先進国債券、新興国株式の5つに限定されており、私は金の投資信託をポートフォリオに組み込んでいるため今回は使用しませんでした。
モーニングスター 資産分配シミュレーション
インターネットで探して行き着いたのがモーニングスターのサイトです。投資信託を中心とする金融商品の分析を得意とする会社とあって使いやすく、かつ見た目もおしゃれなツールが揃っています。また、資産クラスは金やREITなど一通り揃っています。サイトにアクセスすると使い方の説明動画が流れますので詳細はそちらをご覧下さい。
簡単に説明すると、まず初めに以下のような画面で資産配分の設定をします。
左側に資産クラスの一覧があるので、そこから対象の資産クラスを中央の円グラフにドラッグ&ドロップすることでポートフォリオに追加できます。配分は円グラフの小さい丸を動かすことで変えることができます(入力形式の方が使いやすい気がしますが・・)。
次に、右の方にあるリスク&リターン分析をクリックするとポートフォリオ全体と資産毎のリスクとリターンが表示されます。
ただし、ポートフォリオ全体のリスクとリターンの計算の際に使う資産クラス間の相関係数が変えられない仕様になっているのが少し残念なポイントです。私は色々設定を変えて分析しようと思っていたので、今回は使用しませんでした。
資産形成将来シミュレータ「アセロラ!!」
最終的に行き着いたのが資産形成将来シミュレータ「アセロラ!!」by東北投信です。様々な資産クラスが扱えて、かつ資産クラス間の相関係数も変更できます。
東北投信という名前とツールの充実さから東北地方の銀行のサイトだと思っていましたが、なんとブロガーのMirai Takebeさんが運営する個人のブログでした!(私が気になる少しマニアックな内容も記事にされておりファンになりつつあります)
アセロラを使ってポートフォリオのリスクを計算
デフォルト設定で計算
まずはデフォルト設定の相関係数でリターンリスク分析をしてみます。下の図のような表があるので、一番右の「割合」という列に値を入力していきます。私は比率で入力しましたが、内部的に100%で換算してくれるとのことなので、比率がわからなければ金額等でも問題なさそうです。
設定が完了したら、「計算開始」ボタンを押します。すると、下の図のようなリスク・リターン分布図が出てきます。ポートフォリオ全体のリターンとリスクは別途数字で表示され、私の場合はリターン3.56%、リスク14.86%となりました。米国株式よりリスクが4%程度低くて、リターンは同程度ということがわかりました。しかし、新興国債券の方が若干、低リスク高リターンなので改善の余地があることもわかりました。
直近8年間の資産クラス間の相関係数で計算
次に、私が過去の記事
obietasika-assetmanagement.hatenablog.com
で調べた直近8年間(2012年7月末~2020年6月末)の基準価格に基づいて計算した相関係数を使って同様の計算を行ってみたいと思います。下の図のように変更しました。ただし、国内REIT、米国株式、米国債券については過去の記事で調べていなかったので、デフォルト値のままにしました。
リスク・分布図は下の図の通りです。ポートフォリオ全体のリターンは資産クラス間の相関係数と無関係なので変更前と変わらず3.56%、リスクは変更前の14.86%から15.41%と約0.6ポイント高くなりました。
リーマンショック以降は資産クラス間の相関係数が高くなっているので、ポートフォリオ全体のリスクが高くなりやすいという話を書籍で読み少し心配でしたが、今回の結果から、あまり神経質になる必要はないのかなと思いました。何でも自分で手を動かして計算してみるとスッキリしますね。
まとめ
以上、インターネット上で公開されている無料のリスク分析ツールを使って、ポートフォリオのリスク分析をした記事でした。近年、資産クラス間の相関係数が高くなっているため、ポートフォリオのリスクが以前よりも高くなっていることが気になっていましたが、実際に計算したところ神経質になるほどではないということがわかりました。同じような不安を抱えていた人の参考になれば幸いです。ご覧いただきありがとうございました。